アジア諸国で浸透中?海外で話題のEMSを解説

皆様はEMS(Enager Management System / エネルギーマネジメントシステム)という単語をご存知でしょうか?

エネルギーをマネジメントするシステム、の名の通り、消費エネルギー量と施設環境を同時に監視することで、エネルギー利用を最適化するシステムです。これにより、快適な室内環境、エネルギーコストの削減など、様々なメリットを生み出すことができます。

そんなEMSが現在アジア諸国を中心に、海外で注目を集めています。その理由はどこにあるのか、日本ではどのような活用法が期待できるのか…EMSの現状と今後についてご紹介します。

※本記事中のEMSはISO/DIS 50001の国際規格ではなく、あくまでエネルギーを効率化するサービスのことを指しています。ご了承の上お読みください。

 

そもそもEMSとは?

まずは、EMSの特長を3つに分けてご紹介します。

①エネルギーの使用量を監視

EMSは消費電力量をリアルタイムで計測しています。昨今は一般家庭でも消費電力量を端末で確認できるようになり、節電の目安にしたり、屋根に設置した太陽光発電の発電量を確認するなどの用途で活用されています。EMSの場合はただ計測するだけでなく、その数値を元に、施設全体のエネルギー利用を効率化に繋げることができます。そのために計測するもう一つのデータが、施設内の温度や湿度などの環境データです。

②設備の環境を計測

一つ一つの家電や電気設備の性能は年々進化し、省エネ性能も向上しています。しかし、それらはエネルギーを効率的に「使う」ことには長けていますが、「エネルギーを使った結果、この空間はどう変化したか」を把握する技術はまだまだ発展途上です。EMSは使用エネルギーと同時に、対象空間のデータも同時に計測することが特長です。

③観測データと機器を連動させ、エネルギー利用を効率化

現在でもエアコンなどの設備は、空間の温度や湿度を計測し、効率的に運転できるようになっています。その計測技術をより高度化し、なおかつ様々な計測データをネットワーク化し、効率的なエネルギー利用を実現するのがEMSの強みとなっています。

 

海外での利用が急増中

このEMSですが、近年は海外で利用が拡大しています。

代表例が東南アジア諸国です。導入が進んでいる理由として、電気料金が割高な地域も多く、エネルギーを効率的に利用するニーズが拡大しています。具体的には、工場などの屋根に太陽光発電設備を設置し、施設内での消費電力に利用。その自家利用をより効率的に行うために、EMSを導入しているのです。それでは、日本国内で想定される活用法はどのようなものになるのでしょうか。

 

 

日本で想定される活用法

エネルギーコストの削減はもちろんのこと、近年はESG投資に代表されるように、環境負荷軽減の努力が企業業績にも影響を与えるようになっています。効率的なエネルギー利用をサポートする技術は、日本国内でも注目度を増していくと考えられます。そこで今回は、EMSの具体的な利用法やメリットを、いくつかの業種別に見ていきたいと思います。

想定事例①魚の養殖場

気温・水温・二酸化炭素濃度を計測し、快適な環境を維持

養魚場にとって、魚は資産です。その資産価値を維持し、高めていくためには、水質管理が重要になります。EMSによって水分中のpH値、酸 素、温度、塩分濃度などのデータをリアルタイムで監視し、異常がある場合にはオペレータに警告を通知します。これにより水質を適切な状態に維持し、魚を健康な状態へと導きます。

 

想定事例②オフィス・学習塾

室内の温度・湿度・二酸化炭素濃度を計測し、作業能率低下を回避

室内環境は、作業能率に大きな影響を及ぼします。近年はIEQ(室内環境品質)という考え方も注目され、環境の質を高めることで生産性向上に取り組む企業も増えています。EMSで職場の温度や二酸化炭素濃度、湿度などを計測することで、快適に過ごすことのできる職場環境の形成、ウィルスの蔓延を予防、花粉症の軽減などといった効果が期待できます。

 

想定事例③屋内駐車場

二酸化炭素濃度を計測し、室内環境を改善

屋内駐車場は排気ガスにより、どうしても空気品質が悪化しやすくなっています。EMSで二酸化炭素濃度や粉じん・ホルムアルデヒド量を監視し、計測結果を元に換気装置を自動的に制御させ、空気循環を改善することが可能です。

 

想定事例④病院

室内の空気を監視し、衛生状態を維持

病院の集中治療室では、PM2.5、二酸化炭素、オゾン、温度を監視し、良質な空気環境を確実に維持することで、空気感染を予防する必要があります。EMSの空気質センサーで主要エリアを監視し、異常を察知した場合には換気装置を作動させます。万が一の事故を予防し、安心・安全な医療環境に貢献します。

 

これからのエネルギー利用にEMSを

コスト削減、環境負荷の軽減、衛生面の向上など、様々なメリットを生むEMS。もし、EMSの導入に興味を持たれた場合は、私たちアジア創研産業にお任せください。弊社の電力・環境監視システム「EM100」は、小~大型店舗、 工場、商用ビルなど、幅広い用途に適したシステムです。Webを使ったリアルタイムの監視と制御が可能になります。

エネルギー利用の効率化に、ぜひ弊社のシステムをご検討ください。

 

 

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